僕の作法はこの通り

 綺麗な折り鶴の折り方を探す人が絶えませんね。
 綺麗な折り方を探し求める人が、何に困り、どうつまずき、どこにこだわっているのか聞いてみたいものである。しかし今のところ、このサイトにはそんな手段はない。ないったらないのだ。

 本当のところはよくわからないし、もしかしたら、10人いたら10通りの問題点なり疑問点なり悩みや知りたいことが出てくるのかもしれない。ほんで、それに対してこのサイトの記事がどのくらい役立っているのか、まったくわからない。
 しかしそれはそれとして、ここで改めて、僕の鶴の折り方の詳細を掲載しておこうと思う。何かの足しに、ヒントのひとつくらいにはなるんじゃないかと。現状で僕にできることは、そのくらいのものだろう。
 単に折り鶴の折り方なら、他にサイトがゴマンとあるし、そっちを見てもらった方がいい。そこに改めて僕が自分で掲載するのも面倒だ。面倒だとか、どんだけ面倒臭がりなんだと思わなくもないけど。

 過去に「折り鶴の作法」という記事をアップしている。今回のは、その詳細バージョンとでもいったところですね。

 さて、鶴に取りかかる前に、折り紙の基本の注意点などを。
 角の先までズレないように折って、辺と辺をぴっちり合わせる。これは、基本中の基本である。シャープに処理する...とでも言おうか。もっとも、わざとそうしない場合もないわけではないけど(今回の折り鶴でも、わざとずらす箇所がある)。
 ただ、市販の折り紙は、実は正確な正方形であるとは限らない。また、紙を折る時に歪みが生じることもある。繊維のクセがあって、それが折り加減に影響するとかね。だから三角に折っても、綺麗に重ならないことは珍しくない。少しだけズレちゃうことがよくある。
 でも折り鶴くらいのものなら、その程度の小さな難点は修正可能である。
 この修正の詳細については、記事の終わりに追加いたします。

 また、ここに掲載するのは、あくまで僕の折り方である。基本的な手順は変わらないのだけど、ごくごく普通の折り鶴とは違う点が3点ある。
 第一に、羽に折り目がない折り方である。羽に折り目がない折り鶴は、多少折り慣れないと少しばかり苦労を伴う。おそらくは。これは同時に、最初の手順が違うということを意味する。
 第二に、首と尾を折る時にちょっとだけ細工をする。
 第三に、羽は根元で折ってしまう。普通は広げるだけなんだけどね。
 一般的な折り図の通りに折らないのは、この3点だ。3点目などは、好みですけどね。
 また、鶴の基本形にする時のやり方が、少しばかり個性的であるかもしれないけど、よくわからない。まぁこのへんも好みで、適当に。



 さて、それでは鶴を折るといたしましょう。今回は青色で。細かい一折りひと折りを、画像で載せていきますね。

 正方形の紙が1枚。
 

 青(表)を上にしたまま、三角に折る。
 

 広げて、裏返す。この時点では、斜めに1本の折り目(山折り)が付いていますね。当然だけど、山折りと谷折りは、裏返すと逆になる。
 

 垂直方向を折る(辺に対して)。長方形に、辺と辺を合わせて半分に。
 

 一旦広げて、もう一方も同様に折る。それを広げると、こうなる。
 垂直方向の谷折り線が十字に2本。斜めに山折り線が1本。計3本の折り目がある。
 

 これを、今付けた3本の折り目だけを使って、スイと折り畳む。
  > 途中経過。

 紙の中央の頂点(3本の折り目が交差している場所)は、裏側(白面側)ではなく、表側(青面側)にへこんだ状態で折り畳む。
 これが逆になると、鶴の基本形ではなく、ふうせんの基本形へのステップとなる。しかしふうせんの基本形にするためには、もう1本折り目が必要だ。ここまで折ってきた通りに折りたたむなら、3本の折り目では折ることができない。

 正しく折り畳んだのが、次の写真だ。
 

 ひとつ、補足的なお断りを。
 ここではわかりやすくするために、折り筋を付けた後で一旦広げて戻した。でも実際には、広げずに、長方形に折った状態から即この形に持っていくことが多い。多いのだけど絶対でもなくて、一旦広げることもある。
 これは気分みたいなものですね、僕の。その都度、気まぐれとでもいうような。時によりけり。
 ただですね、一旦広げるよりも、長方形からダイレクトに変形する方がサッと折れますね。ちょいと開いてたたむだけ。手順もちょっとだけ少なくなる。だから、そう折ることが多い。
 ここではあえて写真や詳しい手順は掲載しないので、その気のある人は謎解きだとでも思ってお試しあれ。

 いずれにせよ、通常はもう少し手順が多くなる。
 最も一般的な方法では、三角に折る→もう半分、三角に折る→開いて潰す→開いて潰す...で、この形にする。もしくは、長方形に折る→左右互い違いに角を折って三角にする→中を開いて潰す...で、この形になる(こちらの写真は割愛)。
  > 最も一般的な手順。

 しかしどちらの方法でも、下図のように平たい面に折り筋ができてしまう。僕のやり方では、ないはずの折り目だ。ここは羽になるのである。羽には折り目がない方が、綺麗だ。
 

 次にこれを、折り鶴の基本形にする。いわゆる花弁折り。
 僕がよくやるのは、折り目をつける前に、とりあえずなんとなく形にしてから折り進めるというやり方だ。これは、あまり一般的ではないかも。
 鶴の背中になる部分(袋の頂点)を平らなまま押さえて、少し開いてやればいい。
 

 この「なんとなく」の形を作っておくと、実際に折る時にやりやすい気がする。気休めかもしれないが。
 この時、二股に分かれた側から折る方が、綺麗にできる。またこの方が、後で説明する修正もしやすい。

 途中経過。
 

 もう一方も、半分ほど折る。
 

 羽の先を折る時は、羽の根元の折り目をしっかり決めることと、紙を少し引くようにしながら折ることがポイントかな。

 片側をすべて折ったところ。
 

 もう一方も折る。
 

 これで、鶴の基本形の片面ができた。

 裏側も同様に。
 折り終わったのが、次の写真だ。これが、鶴の基本形。
 

 次は、首と尾の部分を折ります。ここで、ちょこっと細工する。
 通常は中央の辺に合わせて折る。しかしここをいっぱいまで折ると、次に中割り折りをする時に表裏(左右)の紙が互いにぶつかり合うので、折りにくくなってしまう。
 そこで、少しだけ中央からずらすのだ。ただし、角はキッチリ尖らせるように、折り目を角に集めるように折る。また、ずらすといっても、ずらしすぎてはならない。過ぎたるは及ばざるがごとし。
 

少し拡大してみましょう。
 

もちろん、裏側も反対側も、同様に。
  > 裏側終了。

  > 両カド終了。

 ちなみにこの時、僕は角の先の方をあとで折る。
 

 では、中割り折り。
 折り慣れない人だと、この中割り折りが難しく感じることもあるようで。中を割るように折るので、中割り折りという。たぶん。
  > 片方折ったところ。

 さきほどずらしておいた効果で、このように左右の紙の厚みがケンカすることなく、すんなり折れます。
  > 途中経過。

  > できました。

 がしかし、実はこの時点で、首と尾の先はまだ折りきっていない。
 

 なんでそんなことをするのか。それは、こういうことだ。
 このふたつの角は、左右対称ですね。
 つまりどちらを首にしてもいいわけだけど、より自由で積極的な視点で言い換えると、1羽だからどちらでも好きな方を選べる...ということだ。頭を変更できないタイプの連鶴にでもなるとそうもいかなくなるけど、1羽だからね。
 僕はこの時、より角が綺麗に折れている方を首にする。うまく揃わなかった方は、このまま隠してしまえばいいのだ。
  > 比較。

 ここでは、左の写真の角を首にしたい。こっちの方が、先まで綺麗に折れた。てなわけで、そのように。

 首が決まったので、尾も先まで綺麗に折りきってしまいます。
 

 羽は、根元で折るのが、僕の好み。
 

 出来上がり。
 



 さて、冒頭に挙げた、紙の「ズレ」や「歪み」について追加しておこう。
 この「ズレ」や「歪み」の修正は、角の折り目をずらさない...という単純なものだ。写真で例示しておこう。

 例えば三角に折る時、普通に頂点を合わせて折ると、底辺側の角がズレることがある(今は紙の裏表を、ここの説明とは逆にします)。
  > こんな具合に。

 紙の歪みとか、繊維の方向だとかの影響があるので、これは仕方がないことなのだ。
 しかし大雑把に言えば、このズレは途中で修正しながら折り進めれば、あまり問題にはならない。その程度のものである。
 折り鶴の場合は、簡単な作品だけど、ものすごく簡単なわけでもないし、いい具合にごまかしが効く。シンプルな作品ほどごまかしは効かなくなるし、難解な作品ほどズレが生じやすくて修正が難しくなる場合がある。
 しかし折り鶴なら、この後で挙げるズレも含めて、羽を広げてしまえば目立たなくなるし、なかなか都合がいい。この程度の重なりのズレは、簡単に誤差の範囲内でしかなくなる。

 では、手順の中で、修正するオススメのタイミングはどこか。と言っても好みだと思うので、これは人によって違う。たぶん。
 僕の場合は?
 首と尾の先を折る時も修正できるのだが、後からだと頭と尾の修正は難しくなるので、鶴の基本形に入る前に修正しておいた方がいいかと。このあたりで先に手を入れておくと、うまくいく。と思う。
  > この形。

 ズレてますね。
 

 これをちょいちょいと。
 

 もちろん、最初に三角に折った時点で修正することもできる。結果としてはそれと同じことなんだけど、僕はここで調整するのが好きなので。
 なぜなら、長い辺の端と端の角をしっかり合わせるのって、意外と難易度が高いから。簡単なようで、簡単じゃないんだよね。


 それともうひとつのポイントが、折り鶴の基本形での両の羽の状態だ。
 ここは、紙や折り方によっては左右の羽が同じように重ならないことがある。上の修正を加えた時、ここでズレが大きくなることもある。こんな感じで。
  > ちょっとズレてる。

 しかしここでは、それぞれの羽先の処理を優先する。左右の羽の重なりは、少々ズレていてもかまわない。
 なんでほっとくの? それは、羽の先が綺麗に折れていないと、みっともないからだ。こっちの方が重要なのだ。羽先は絶対に、角をきちんと合わせて折る。そうすることで、厳密には羽が左右対称になっていなくても、綺麗に見えるものである。
 羽を広げれば目立たなくなるし、羽の根元を折る時にも多少の修正ができる。いくらでもごまかしは効く。
 問題解決(?)。

 

 といった具合で、綺麗に見せるためには、荒技も含めていろいろあるのでありました。参考までに。