2015年1月アーカイブ

妹背の山に見るものは

 さて、前回に続き2色の折り鶴の作り方。
 前回は1羽を2色で色分けする方法を書いたが、今回は2羽2色パターンである。

 それでは始めましょ。
 2羽2色パターンの折り鶴は、「千羽鶴折形」でいうところの「妹背山」の変形である。

 Imoseyama.jpg > 普通の妹背山。

 話がそれるけど、「千羽鶴折形」について付け加えておこう。
 正確には「秘傳千羽鶴折形」というタイトルで、江戸時代に編纂された本だ。一枚の紙に切り込みを入れるといろんな形の鶴を作れるのだが、これを連鶴という。その連鶴の手本帳のようなものである。手本といっても指南するわけではなくて、切り方と補助線と出来上がりの図と、そこに添えられた狂歌に挿し絵しか載ってないけどね。
 それぞれの1羽の鶴の折り方は同じだから、当然である。

「妹背山」は、こんなふうになってます(これは、元の図に頭の位置などを付け加えて、わかりやすく書き換えた図)。
 ImoseyamaOrizu.jpg > 正方形が二つぶんの長方形に、切り込み。

 面倒なので、カメラで撮影。これでもシンプルな図だけど、これだけわかれば充分だ。元はもっとシンプルです。切り込みの線しか入ってないので。
 通常の妹背山は、左右の鶴の表裏を揃えて折る。色違いの鶴を作る場合には、それを逆にすればいいだけである。

 1:2 の紙が必要なので、正方形を半分にするとしよう。
 2colorImoseyama01.jpg > 1:2 の紙。

 まず、縦長半分に折って開く。
 2colorImoseyama02.jpg > 縦に折り線が1本。

 最初の線の直角方向は、4等分にする。半分に折って、さらに半分に折れば OK。こだわりたければ、ここで山折り・谷折りを工夫するといい(詳細は省略)。
 2colorImoseyama03.jpg > 4本の線を追加。

 中央の折り線の部分に、半分ほど切り込みを入れる。くれぐれも切りすぎて、分離させたりなどしないように。切れ目が浅すぎても、この後うまくいかなくなるよ。
 2colorImoseyama04.jpg > 半分切断。

 2colorImoseyama05.jpg > 切り込みを拡大してみる。

 ここでも、頭の位置には注意するべし。妹背山は2羽の羽どうしが繋がっているので、紙が繋がってる部分が羽になる。下の写真は、既に斜めに折り筋を付けたものである(頭と尾は、逆でもいい)。
 2colorImoseyama06.jpg > 尾頭と羽の位置関係。

 ちなみに、上の図は正確ではない。上図は、普通の妹背山の位置関係である。色違いの妹背山を折ると、一方の鶴(ここでは左側の鶴)の頭と尾は、もう一方の鶴と逆になる。

 少し脱線するが、連鶴を作る時には、羽に折り目のないマサキ式(仮)折り鶴の作り方が、なかなか役に立つ。なぜなら、先に示したように、頭か尾の角と羽の角とは、位置関係が決まっているからだ(鶴に限らないけど)。
 妹背山の場合、切り込みを入れてできた角は頭か尾になる。そこへ先に折り目をつけてしまえば、どこが羽なのかわかりやすくなるから、間違えることがない。しかも仕上がりが綺麗だ。一石二鶴である。それが、上の写真の例なのだ。

 あとは、左と右で分かれた正方形を使って、折り鶴を折るだけだ。注意点は、片方は表を外側に、もう片方は裏を外側にすること。
 そうやって折ったのが、次の写真だ。
 2colorImoseyama07.jpg > 2羽2色の折り鶴、妹背山。

 2colorImoseyama08.jpg > 光の加減も考慮して、後ろ姿も。

 紅白だと、なんだかおめでたい感じになるね。

鶴を二色で艶やかに

 年が明けましたね。今年はどんな年になりますことやら。

 さて、過去の検索キーワードに、「一枚の紙で二色出てくる折り鶴の作り方」というものがあった。この検索の真の目的に曖昧な部分はあるけど、おもしろいのでネタにしてみよう。まだ三が日だし、時期的にも悪くない。たぶん。

「一枚の紙で二色の折り鶴」なるキーワードは、単純なようで実はそうでもない。僕はここから、2通りの鶴を思い浮かべるのだ。
 ひとつは、ごく単純なパターン。1羽を2色で色分けする。
 もうひとつは1羽ではなく、2羽を2色で色分けする。
 3羽以上でもいいけどね。見た感じとか折りやすさとかいろいろ考えると、1羽か2羽が妥当だろうなぁ。ここでは、1羽と2羽ということにしておこう。
 これ、どちらも可能です。いずれも1枚の紙で、折れるのです。「一枚の紙で二色の折り鶴」というだけだと、どちらか特定は難しい。キーワードを素直に受け取れば、1羽2色パターンの可能性が高そうな気はする。だけど、そうとも限らない。
 冒頭で「曖昧な部分はある」と書いたのは、そういうわけだ。
 連想は複数あるけど、ついでだし、難しくないからどっちも折り方を載せちゃう。ただ、一度に載せると記事が長くなるので、ひとつずつにしておこう。

 まず今回は、1羽2色パターン。
 1羽2色パターンには、様々なバリエーションが考えられる。今は、左右の色分けバリエーションを作ってみよう。他のバリエーションは、その応用でできる。
 折る前に、紙の準備が必要です。と言っても、ただ「折り紙を用意してね」などという準備ではない。表裏が違う色の紙じゃないと2色折り鶴はできないから、片面色付き(裏が白)か、両面折り紙などを使うといい。普通の折り紙を用意すれば、できますね。
 形は、正方形からスタートする。

 ちなみに以下、鶴はすべてマサキ式(仮)で折るのでご留意ください(「折り鶴の作法」参照)。あと、細かいひと折りひと折りは省略しますよ。またここでは、表が赤、裏が白の折り紙を使うのです。

 さて、正方形の紙が一枚。
 2colorOrizuru01.jpg

 これを、三角に縦横どちらも半分に折る。これは、山折りでも谷折りでもさほど問題はない。
 2colorOrizuru02.jpg > 十字に折り線が付きました。

 とりあえず、どちらかの辺のふたつの角を、両方とも裏でも表でも、同じ側へ折りましょうか。角は、十字の中心点に合わせる。ここでは赤を表に、表側へ。
 2colorOrizuru03.jpg > 片側の辺の両角を表側へ折ったところ。

 反対側の辺の角は、裏側へ折りますよ。裏返して折って、ひっくり返せばいいですね。すると、こうなる。
 2colorOrizuru04.jpg > 2色の正方形出現。

 ここからは、普通の折り鶴と同じである。
 ただし、尾頭と羽の位置に注意が必要だ。先に、普通の正方形で説明いたしましょう。

 折り鶴は、対称の位置にある角が、それぞれ「頭と尾」「左右の羽」になる。
 下図の通りだ。
 2colorOrizuru05.jpg > 頭尾と羽の位置関係。

 これが頭に入っていれば、難しくはない。
 2色折り鶴に戻ろう。つまりこの紙の場合は、下図のようになる。頭と尾は、逆でもいい。逆にすると、羽の左右が入れ替わるだけ。
 2colorOrizuru06.jpg > 左右色分けでの正しい位置関係。

 2colorOrizuru07.jpg > 例えばこうすると、体の前後で色分けできる。

 互い違いにすれば、まだらな色分けもできますね。
 今は左右の色分けをしようと思うので、最初の図の位置関係になるように折る(繰り返すけど、頭と尾は逆でもいいですよ)。あとは普通に折ればいいので省略して、完成品を掲載いたします。
 2colorOrizuru08.jpg > 1羽左右色違いの折り鶴。

 はい、あまり綺麗ではないけど、完成です。
 これ、いろいろ細工をするともっと綺麗になるんだけど、何もせずに普通に折ると、だいたいこんなもんだね。折った時の紙の厚みが影響してくる。

 もっと綺麗に折ろうと思ったら、糊付けするのがオススメかな。
 最初に2色の正方形を作った時に、糊付けをするのだ。それだけのことで紙にズレが生じなくなる。ちょっとした最初の一手間で、翼も首も上の写真のようにズレることなく仕上げられるのだ。
 普通の糊でもできるのだが、こんな時に僕はいつもボンドを使っている。扱いやすいし、注入するにも伸ばすにも楽で、糊より乾きやすくて、紙がクタクタになることもない。
 そうやって折ったのが、下の写真の鶴である。光が当たって、首や尾が白っぽく写ってるけど、まぁご愛嬌といったところで。

 2colorOrizuru09.jpg > こんなふうに綺麗になる。

 おしまい。

 2羽2色パターンは、また次回。


※ 別記事の通り、便宜上「マサキ式(仮)」と書いた折り鶴の折り方は、オリガミアンなどにはよく知られた方法です。